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過敏性腸症候群について

過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)とは、各種検査(大腸カメラや血液検査など)で明らかな異常が認められないにも関わらず、腹痛や腹部不快感を伴って便秘や下痢が続いたり繰り返したりする病気です。

過敏性腸症候群の症状

主な症状は、腹痛や腹部不快感、そして便通異常です。 腹痛は発作的に起きたり持続的であったり様々で排便によって一時的に軽快することが多いことが特徴です。

それ以外にも、腹部の膨満感やガスだまり、腹鳴(おなかがゴロゴロ鳴ること)などの症状もみられることもあります。

 

過敏性腸症候群は便の性状から、下痢型、便秘型、混合型、分類不能型に大きく分類されます。 簡単に説明すると以下のようになります。

・下痢型:突然おこる腹痛と下痢が主たる症状となるタイプ。

・便秘型:便秘を繰り返し、便が固く、腹部膨満感を主症状とするタイプ。

・混合型:便秘と下痢をくり返すタイプ。(便秘の後、硬い排便に続いて下痢になるなど)

・分類不能型:上記の型のいずれの診断基準も満たさないタイプ

過敏性腸症候群の原因

過敏性腸症候群の患者さんでは、消化管の運動異常や知覚過敏が起きていると考えられています。特定の原因は実はまだはっきりはしていませんが、ストレスなどの心理学的な問題、腸内細菌の影響などが関与していると言われています。最近では感染性腸炎のあとにも発症することが明らかになっており、免疫学的な異常が関わっている可能性も指摘されています。

過敏性腸症候群の診断

診断にはローマ基準という世界的に標準化された診断基準があります。 現在は2016年に改訂されたローマⅣが最新で診断基準は下記の通りです。

最近3ヶ月間、月に4日以上腹痛が繰り返し起こり、次の項目の2つ以上があること。 ・排便と症状が関連する

・排便頻度の変化を伴う

・便性状の変化を伴う

期間としては6ヶ月以上前から症状があり、最近3ヶ月間は上記基準を満たすこと

診断基準に6ヶ月とありますが、必ずしも診断基準を満たさなくても症状や検査所見などから総合的に診断されます。大切なのは他の病気の可能性を確実に除外することです。慢性的な便秘や下痢の原因として鑑別すべき疾患には大腸がんや潰瘍性大腸炎、感染性腸炎など腸そのものの病気、何らかの原因で消化吸収に問題を起こしている場合、内分泌学的な異常(甲状腺機能異常など)など様々です。

過敏性腸症候群そのものは直接命に関わる病気ではありません。だからこそ、他の命に関わるような病気をしっかり鑑別する必要があります。 鑑別するための検査としては血液検査や大腸カメラ、便検査、腹部X線、腹部エコー検査などがあります。

過敏性腸症候群の治療

過敏性腸症候群の治療は、生活習慣の改善や食事指導、薬物治療が基本になります。 生活習慣や食事では、適度な運動と規則的な食事、十分な水分摂取を行い、脂質やカフェイン、香辛料などの刺激物を避けることが勧められます。特定の食物で症状が起こりやすい患者さんの場合、低FODMAP食(腸内発酵しやすい食物を控える食事)やIgG抗体が関連する抗原の除去食が有用とする報告もあります。 他に、疲労の蓄積や心理社会的ストレスなど、この病気の増悪因子と考えられるものがあれば改善を試みます。 薬物治療は症状により多種多様で、腸管内の内容物を調整する薬(ポリカルボフィルカルシウム、酸化マグネシウムなど)や腸管の運動機能を調節する薬(トリメブチンやラモセトロンなど)が用いられます。他に、乳酸菌や酪酸菌といった整腸剤(プロバイオティクス)や漢方薬が有効な場合もあります。これらの薬剤を症状により組み合わせながら治療します。改善がみられない場合、抗不安薬、抗うつ薬などメンタル的なアプローチが有効である場合もあります。

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