食道がんのお話~禁煙・節酒・内視鏡検査のおすすめ~
最近のニュースの影響でご相談いただくことも少し増えていますので今回は食道がんのお話をしたいと思います。
【食道がんは珍しい癌ではありません】
食道がんは胃がんに比べると大分頻度は少ない(8分の1程度)のですが、年間約2万人以上もの方が罹患するため消化器の癌としては決してまれではない癌といえます。また、胃がんは原因となるピロリ菌の除菌が広く行われるようになった影響で明らかに減少しているのに対し、食道がんに罹患する方(罹患率)は年々増えてきている現状があります。
これは内視鏡検査の発展によって単に食道がんを見つけやすくなったということもあると思われますが、食道がんは飲酒や喫煙など生活習慣が主な原因となるため、急に変化することは無く減少しにくいということがあります。
【食道がんの早期発見には内視鏡(胃カメラ)が第一選択】
癌と言えば早期発見、早期治療が重要ですが食道がんの難しいところは、内視鏡でなければ早期での診断が難しいことです。症状が出るような段階ではある程度進行してしまっていることが多く、広く行われている胃のバリウム検査(胃透視)では食道も撮影はするものの余程大きな異常が無い限り異常として捉えることができません。つまり胃透視を含めた普通の健康診断では早期の段階で検出することはまず不可能と言ってよいと思います。一方で、内視鏡であれば、画質そのものの向上や特殊な光(NBIやBLI)での観察ができるようになりごく早期の段階での検出が可能となってきています。進行した癌は手術や抗がん剤、放射線治療など負担の大きい治療が必要となってきてしまいますが、ごく早期の癌であれば内視鏡での治療も可能です。
【食道がんの予防には禁煙、節酒が重要】
食道がんは飲酒や喫煙が原因となるという説明もさせていただきました。飲酒や喫煙はそれぞれ食道がんのリスクを3倍以上にするといわれており、両方ある方はさらに相乗的にリスクが高くなります。特にヘビースモーカーの方や、多量に飲酒される方、飲酒で顔が赤くなりやすい方は何十倍もリスクが高くなる可能性があり、特に注意が必要です。更に、現在辞めていても喫煙歴や飲酒歴がある方は長期間リスクは残るとされています。ただしゆっくりとですがリスクは減少すると言われてはいますので心当たりのある方はぜひ禁煙、節酒(禁酒)をお勧めします。
【併せて注意したい咽頭がん】
食道がんと併せて注意が必要なのが咽頭(のど)や口腔(口の中)の癌です。食道の中は表面が「扁平上皮」という粘膜で覆われています。実は「のど」や口の中も同じ扁平上皮で覆われています。このため飲酒や喫煙による発がん物質の影響は咽頭がんや口腔がんにも同じように作用します。つまり「食道がんのリスクが高い」=「咽頭がんや口腔がんのリスクも高い」ということになります。口の中は異常な赤みや「ただれ」が無いか鏡でセルフチェックすることが可能ですが、「のど」の奥は見えません。つまり咽頭がんもやはり早期に見つけるには内視鏡検査が必要となります。
【飲酒、喫煙歴のある方はぜひ一度当院で内視鏡検査を】
一方で、口からの内視鏡で「のど」を観察しようとするとオエッとなって難しいことがあります。そのような場合には鼻からの内視鏡の方がオエっとしづらく観察に有利となります。以前、私が病院に勤務していた時には胃がんや食道がんに加えて、耳鼻科(頭頸部外科)の先生と協力して咽頭がんの治療にも当たっておりました。このため胃や食道だけではなく咽頭の観察も比較的得意としております。当院では鼻から挿入可能な細さで比較的画質も良く、特殊な光での観察も可能な内視鏡を使用しております。のどの違和感、胸やけなど自覚症状がある方、飲酒や喫煙をよくされる方はぜひ一度当院で内視鏡検査をご相談ください。
