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帯状疱疹についてのお話~ワクチンの勧め~

[2024.10.27]

季節の変わり目で気候の変動が激しいせいか帯状疱疹で受診される方が増えております。

帯状疱疹は罹る方が多く、やっかいな病気の一つですが、ワクチンによる予防が可能です。今回はその帯状疱疹についてのお話です。

<そもそも帯状疱疹とは?>

帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)と同じウイルスで起こる皮膚の病気です。
体の左右どちらか片方に、痛みを伴う赤い発疹と水ぶくれ(水疱)が帯状に多数生じます。比較的上半身に現れやすいですが、顔面、特に目の周りや下半身にも現れることがあります。

<帯状疱疹の原因>

帯状疱疹の原因となるのは水痘・帯状疱疹ウイルスというウイルスです。このウイルスに子供のころに初めてかかると水ぼうそうとして発症します。水ぼうそう自体は1週間ほどで改善しますが、実はウイルスは生涯にわたって神経の中に症状を出さない状態で潜んでいます。加齢、疲労、ストレスなどによって免疫力が低下したりするとウイルスが活性化し発症すると言われています。50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。

<帯状疱疹の症状は?>

ウイルスは、神経を痛めつけながら皮膚に向かうため、多くの場合、皮膚症状の出現する数日前に痛みが生じます。初診時には皮膚症状が無く診断がつかず、後でわかる場合もあるため注意深い皮膚の観察が必要です。主な症状は皮膚の発赤や水疱の皮膚症状と痛みで、神経の損傷によって痛みが残る場合があり、帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれます。他に帯状疱疹の症状が現れる部位によって、目の角膜炎や顔面神経麻痺、難聴、膀胱直腸障害(便秘や尿が出にくくなるなど)の合併症が起きることがあります。

<帯状疱疹の治療は?>

帯状疱疹の治療は抗ウイルス薬の内服が主体となります。対症的に鎮痛薬なども処方します。帯状疱疹後神経痛や合併症の予防にも治療は早ければ早いほど良いと考えられていますので気になる症状があったら早めに皮膚科や内科を受診しましょう。水ぶくれや発赤の皮膚症状は徐々に「かさぶた」となって治っていきますが、かさぶたが取れて完全に治るまで約3-4週間程度もかかります。治っても色素沈着や傷の跡が残る場合もあります。痛み(帯状疱疹後神経痛)は皮膚症状が治っても長く続く場合があり、半年以上症状が続く方もいます。痛みが強い場合にはペインクリニックなどでの専門的な治療が必要となる場合もあります。更に一度帯状疱疹に罹ったことがある方でも6%程度に再発する可能性が言われています。

<帯状疱疹は予防できる!>

帯状疱疹は発症すると症状が強いだけではなく後遺症のような症状を残すこともあり予防が望ましい疾患です。現在、不活化ワクチン(シングリックス)とウイルスを弱毒化させた生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)の2種類の予防接種が使用できます。特にシングリックスは2回接種が必要で接種費用が1回あたり2万円以上と高額ではありますが、9年以上の長期間、90%以上の高い予防効果が証明されています。以前はシングリックスは50歳以上の方にしか適応がありませんでしたが、免疫機能が低下しているなど、帯状疱疹を罹患するリスクが高い18歳以上の方にも現在使用が可能となっています。

自治体によっては接種費用の一部助成がある場合もありますが、仙台市では残念ながら助成制度がありません。ただ、帯状疱疹に罹ったことのある方に聞きますと「こんなに大変な思いをするならワクチンをしておけばよかった」 と言われる方が少なくありません。(私も50歳になったらワクチン接種をするつもりです。)

50歳以上の方、帯状疱疹に罹ったことのある方はぜひワクチン接種をご検討ください。

※当院での接種をご希望の方は予約が必要ですので事前にお問い合わせください。

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