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便潜血検査で陽性と言われた方へ

[2024.09.13]

便潜血検査は大腸がん検診として行われている検査です。

大腸がんは、通過する便による擦れや腸の運動でがんの表面が傷つくことによって少量の出血をきたすことがあります。

多量の出血があれば肉眼的に血便として認識できますが、ごく少量の出血では認識できません。このような肉眼的に認識することができないごく少量の出血(潜血)を検出するのが便潜血検査です。

このため、便潜血検査が陽性の場合、症状が無くとも大腸がんの可能性がありますので必ず精密検査必要です。精密検査の方法で、最も精度が高いのは大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)であり、厚生労働省はこの方法を推奨しています。

便潜血検査の精度

一方で、便潜血検査が陰性でも、大腸にポリープやがんが無いとは言い切ることができません。

例えば進行大腸がんでも、10%程度は便潜血検査が陰性となります(偽(ニセ)の陰性なので偽陰性といいます)。早期がんでは実に50%程度が偽陰性となります。

大腸ポリープに関しては陽性率が低く、便潜血検査が毎年陰性の方でも、何か他の症状で大腸カメラを行ってみるとポリープが発見されることが多くあります。

このため「2日間行って陽性は1日だけだった」、「昨年は陽性だったが今年は大丈夫だった」といっても全く安心はできません。すべて精密検査が勧められます。

このため便潜血検査で陽性が指摘された方は早めに大腸カメラを行うことをご検討いただくことが必要です。

様々な大腸ポリープ

大腸カメラを行って、「ポリープ」や「大腸がん」が見つかった場合のことを心配される方も多いかと思います。

大腸がんが見つかった場合には、当然病院など高次医療機関でのより詳しい検査や治療が必要なため速やかな病院への紹介が必要となります。

ポリープの場合にはどのようなポリープかで判断が分かれます。実は「ポリープ」という病名はあくまで見た目の診断で、粘膜から盛り上がった病変はすべてポリープと表現(診断)されます。このため、「どのような性格のポリープなのか?」といったこと治療の判断に重要となります。

現在内視鏡の診断学は進んでおり、実に様々なポリープの分類、種類が提唱されています。詳しい診断名はあまりに専門的になるので割愛しますが、ポリープのはその見た目で大きく以下のように分類されます。

①ポリープのような「がん」

②「がん」への変化を疑うようなポリープ

③将来的に「がん」になり得るような良性のポリープ

④ほとんど「がん」にならない良性のポリープ

⑤その他(悪性なのかどうか見た目だけでは診断が非常に難しいポリープなど) 

 などです。

①や②、⑤のようなポリープは大腸がんに準じて病院での精密検査や治療が必要になります。

③のようなポリープも将来的な「がん化」のリスクから原則治療(切除)が必要になります。ただ、大きさや見た目などによるリスクの度合いで治療を急ぐか少し経過をみて治療するかが変わります。

④のポリープは治療が必要ないため基本的に経過観察(様子を見ること)になります。

日帰りで行うポリープ切除

よくクリニックなど外来で治療されているポリープはほとんどが③の良性のポリープで、その中でも特に治療時の出血のリスクが少ない小さいポリープのみになります。

小さくても治療するのは、③のポリープは大きくなればなるほど治療の際の出血のリスクが高くなり、更に「がん化」のリスクも高くなるため小さいうちに治療してしまいましょう、という理論がベースになっています。

更に、以前はポリープ切除といえば入院が必要でしたが、出血のリスクの少ない治療方法が確立されたこともクリニックなど外来での治療を拡大させました。

 

当院では苦痛の少ない大腸カメラ、日帰りポリープ切除を十分安全にも配慮しながら行っております。

便潜血検査で陽性と言われた方、大腸カメラや日帰りポリープ切除にご興味のある方はぜひ外来でご相談ください。

 

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